研究局 7月局内授業 協議会記録①
7月に行われた、研究局・局内授業の協議会の様子をご紹介します。
以前アップした授業の様子とあわせてご覧ください。
今回は、2回に分けてお送りします。
今年度の研究テーマは『子供×発見』。図工が好きな子供たちが多いのは、自分に預けられている部分が大きいからだと思う。子供が自ら学んでいるというのを感じてくれているのかなと。トップダウン型(教え込み)の授業ではなく、ボトムアップ型(子供主体)の授業にしていくことで、こちらの想像を超えていくことがたくさんあって、それが僕は嬉しいし楽しい。
研究局では、「子供も大人も喜び溢れる図工の授業を追求して発信する」ということを最上位目標として設定した。子供も大人も喜びを感じられるのはどんな時かなと考えた時に、「発見」というキーワードが出てきた。そこに学びの主体である子供を加えて「子供×発見」という研究テーマにした。
目指す児童像:自分の感覚で発見することを楽しむ子
テーマの中身として、3本の柱を立てた。
・子供が発見する図工の授業づくり
学びの主体はあくまで子供であるということ。子供が造形的な実感を得るために教師が、子供の心が動く導入や、材料・用具、環境をどのように設定するか考えていく。
つまり、子供が主体的に発見を楽しむ授業をつくって、子供を見る教師の目の感度を高めていくことで、子供と発見する多様な図工の価値が見えてくるのではないかということ。
本日の授業を通して、どのような子供の姿が見られたか、子供たちが発見したであろうこと、子供たちに残っていくだろうこと、そんなことをたくさん語ってほしい。
本時の「光のカサナリウム」は、指導案にも書いてあるように、光に透ける色の美しさ、材料の組み合わせや重ね方で変化する見え方の違いなど、見付けたことから思いをもち、透明な箱に自分をイメージした空間、カサナリウムをつくるという題材である。
場の設定については、自然光で見上げることを大切にした。空を見上げると背景に何もなくて、作品の中の空間がフラットに見える。晴れの日とか曇りの日とか、電灯でとか家のライトでとか、子供が作品を持ち帰った後も、それぞれの見方で作品を味わってほしいという願いも込めている。また、本題材における思考している姿というのを、つくる、見る、つくるというのを繰り返している姿であると考えた。箱に入れているものを入れ替えたり、操作したり、絵の具を何度も重ねたり、見上げたり試行錯誤を繰り返す様子が見られたと思う。
〇授業者自評(八王子市立別所小学校:菅)
別所小の子供たちは、元気で素直。今日も何人かいたが、得意な子は、試したことから見付けるということができるが、何をしていいかわからない、自分がやった行為がいいと思えず残らないという子も何人かいる。そういう子たちも含めて、試しながら「いいな」を見付けて、自分のつくりたいという思いに変えてもらえたいと思った。つくり、つくり変えたりしてできたところから自分のイメージをもつことが、この感覚的な部分が多い子たちだからこそ合っていると思った。
別の学級での事前授業は、「光の贈り物」という投げかけで行った。子供に落ちやすい投げかけとして、この箱にプレゼントをもらっているというようなイメージできたらいいかなと思ってやってみたが、こちらの意図が伝わりにくかったように感じた。光を感じるには色や影など、透明ではないものも必要だと思った。
そこでたくさん試してほしい「重なり」という行為と、空間・場所を表す「リウム」という言葉を組み合わせた「カサナリウム」という造語をつくった。自分だけの場所、空間をつくろうという投げかけの方が子供にとってはわかりやすいようだった。
今回使用したアクリルの箱は、ある程度試せる大きさ・厚みであったと思う。まだまだ練りきれていないところもあるので、ご意見いただいて、もっと題材を詰めていきたい。
〈高橋先生のグループ〉
・形が完成されすぎていて、今日の時点で大きく方向転換してやり直すのは厳しそうだった。「慎重な足し算」というワードが印象的で、大きなイメージのズレが、段々と小さく収束していく様子だった。箱自体が完成されているので、友達同士で重ねて、下から見上げてごらん、などと提案をしてあげたら、また見え方が変わったかもしれない。
~~南先生による指導・講評は次回お送りいたします。~~
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