北多摩大会の研究について

北多摩大会研究テーマ「図工の冒険 ~一人ひとりの一歩から~」

研究局長 研究局長 宮﨑恒平

1 研究テーマについて

 近年、子供たちはどれだけ自由に道を選択しながら、自分の世界を広げることができただろうか。どれだけ自分の新しい世界を切り開く挑戦ができただろうか。ゴールがわからない目的に向かって、一歩一歩踏み出していくことは、思いもよらない寄り道や、新しい答えを与えてくれるはずである。

そこで、北多摩大会の研究テーマを「図工の冒険 ~一人ひとりの一歩から~」とした。「冒険」という言葉には、自分の道を切り開く、枠からはみ出す、挑戦する、未知のものとの出会い、という意味を込めている。

図工の冒険とは、「子供が実体験を通して体全体の感覚を生かし、対象や事象と触れ合い、自分のイメージを広げ、自分なりの活動を繰り広げることです。」子供が「やってみたい、こうしよう」をエネルギーにして一歩踏み出すことから、つくり出す喜びを感じ、子どもがつくり出す意味や価値を見いだすだろう。変化の激しい時代、視覚に偏りがちな時代に、自分の感覚や行為を通して、新たな一歩を踏み出せるように育てていきたい。

だからこそ私たちは、作品という結果だけにとらわれることなく、一人ひとりのプロセスや生み出した価値を大事にして、子供たちが勇気もって自分の一歩を踏み出せるようにしていきたい。

冒険することにより、模索して自分なりの価値を手に入れていく。それは自分らしさを見つけて

いく喜びになるはずである。

2 研究主題に迫る手だて

 目指す児童像「主体的に自らの感覚や行為を通して、自己決定を繰り返しながらみたり表したりしていくことで、自身のやりたいことや自身のやり方を見つけ続けていく児童」

研究仮説「児童がつくりだす喜びを感じながら自ら進んで活動し、感覚や行為を生かして自己決定

をしながらみたり表したりしていけば、新たな価値を見つけ価値をつくっていく児童が育つだろう」

★北多摩大会研究テーマ


北多摩大会では、4つの分科会に分かれて、冒険につながる4つの目指す児童の姿を想定した。

<子ども軸分科会>

子ども軸分科会の授業における児童の姿>

学ぶ喜びを味わい、新しい価値を主体的に創造できる。思考や感覚を活発に働かせ、創造性を発揮し、新しい可能性を開く姿

<探求分科会>

探求分科会の授業における児童の姿>

自分や友達、ものと対話する中で、「思いをもち」やりたいと思うことに向かう姿

<夢中分科会>

夢中分科会の授業における児童の姿>

感覚や感性を働かせることをきっかけに活動に没頭し、自分なりの意味や価値を見出しながら表現や観賞を楽しむ姿

発見分科会

<発見分科会の授業における児童の姿>

自分の感覚や行為を通して思いついたことを存分に試しながら、造形的なよさやおもしろさ、美しさに気付き表現(鑑賞)する姿

東京都図画工作研究会

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