【研究局】令和2年度 第7回局会報告

令和2年度11月30日(月)の第7回都図研研究局会では、東村山市立南台小学校の展覧会会場にて行われました。図工専科の河野先生から交流授業や会場の作品についてお聞きしたり、局員で話し合ったりしました。その様子をご紹介します。



〇交流授業についての意見交流

河原:コロナ禍のもと、先生方の展覧会を見る機会はなかなかないので、今回は貴重な機会。研修局のような内容だが、我々ではなかなかもてない展覧会について語れる機会ともなるのでありがたい。

金垣:河野先生に交流授業について伺い、その内容を発信する。いつから交流授業をおこなっているのか?

河野:2 年目から続けている。

金垣:交流授業を始めたきっかけは?

河野:自分が初任から美術館など外とつながる機会があった。子供たちの反応が広がり、自分にとってもプラスの刺激となっている。

金垣:交流させることでどんなことが得られるのだろうか?他の研究局員で交流授業を経験された方はどうか?

河原:普段一人の図工専科の価値観しか子供たちは触れ合えないが、ほかの作家さんなりのそれに触れることは、子供たちにとって新しい風が吹く。木工作家さんの鉋を引く姿にも、子供たちは新しい発見があった。自分の限界を超えられる。子供たちにとって、講師の方が来るだけで既に新しい期待や予感があり、何があっても感動がある。

菅 :造形大の先生の影絵プロジェクトで来ていただいたのが初めて。見せてもらって触れる形。空間ワークショップは昨年から。建築家の方が作るのを見たが、今年は一緒に作った。様々な建築の仕事の経歴を知り、子供たちがプロとしての姿を身近に感じていた。筋交いなど、補強の技法を生活とのつながりから実感をもって学ぶ姿があった。

小林:美術館に連れて行ったこともある。昨年府中の図工専科が交流していたダンサーの形つながりワークショップを行った。子供たちはいい出会いで面白い大人たちとのつながりがもてたと思う。今年も行う予定。

金垣:教員と違う価値観の大人と、子供たちが図工を通して触れ合う良さがある。それがまた、普段の図工にも生きてくる。まだ経験のない先生に向けて、どのような流れで交流授業を行っていくのかを聞きたい。

河野:国の助成金事業費をもらう、NPO がやりたい授業で協力する、オリパラ事業での提案、ボランティアとして行う方の連携や、美術館からの派遣のプランなど、図工専科がやりたいことに合わせて考えていく。

金垣:上野の美術館の事業などもある。

河野:ものによっては申請の仕方や期限などが様々で、前年度に申し込むものなど先を見通したプランで考えるものもある。内容も専門家のリストから申請するもの、この人とやりたいと申請したり、いくつかの中から話し合って決めたり。子供たちにどんな活動をさせたいか、というもとがなければならない。事業で出るお金で材料費運送費、謝礼等込みでバックアップできる。謝礼は後払いとなる。文化庁の派遣事業以外も様々な事業からつながることができる。管理職のところでそのような情報が止まっていることも。オリパラでは伝統文化としておりがみ、段ボールを使った身体表現など。

河原:市区町村で教科ごとにもある。講師主導となってしまうこともある。

河野:私はこちらでプランを考えたものを交流相手に伝えるやり方を取っている。

小林:個人的につながる人もいる。

河野:玉田さん(ダンボール造形作家※後のギャラリートークで紹介します)については、文化芸術による子供育成総合事業コミュニケーション向上事業で申し込んだが落ちる→子供のための文化芸術体験機会の創出事業に申し込んで当たり、実現。当選しても締め切りが 1 週間で、短期間で手続きが難しい。

小林:文化庁の同じ予算で行われるほかの事業を見つけて申し込むことも。予算が潤沢。

河野:事業によってタイプがある。扱うジャンルがたくさんある。これ、と決めていく必要がある。文化庁のものも。講師の謝礼等は、事業から出るお金が大きいが、結果が出るまでの間が長いので、支払いについては注意。空間ワークショップの角材は運送費のみ、木材は使いまわし。市内で買って回すことも。

小林:買うと 4 万ほどにも。

菅 :運送費を学校展覧会予算で出すことも。世田谷は建築協会の支部があり木材は持っているから運送費もかからなかった。




〇展覧会でのギャラリートーク

〈交流授業の作品を中心に鑑賞した〉


☆1・2 年生・・・【折り紙を使った活動】

型がある折り紙、そこから自由度を高めるためにはどうしたらよいかを考えた。基本を教えてもらうだけでも子供たちは盛り上がり休み時間も折っていた。1 年生はキノコ。折り方を自分で考えて折る児童もいた。

2 年生は、葉っぱ、キノコ、魔女。表情豊かに作っていた。決まった型から自分たちのものにして広げていきたいという思いで活動した。



☆3 年…【箱の中の物語】

言葉で表さないで身振り手振りで何かを表すワークショップを行った。それから、箱を何かに見立て、箱を積んだり並べたりした。最終的に、箱の中をイメージして表す活動を行った。



☆4 年…①【おどろき!アニメーション】

写真美術館との交流授業。オンライン授業を zoom で行った。子供たちの手元の作品と繋がれるよさがあった。どうやったら動くと思う?から授業をスタート。やり方を教わってつくり、夢中になっていた。画面で手元を映しモニターで共有することもできた。


☆4年…②【さあ、旅に出よう】

「旅に出れるとしたらどんな旅をしたいか考えてつくろう」という投げかけからスタートした。相棒と夏休み中に相談してきてという言葉がけを行い、子供たちはアイデアを考えていった。アートフルアクションが手助けをしてくれ、子供たちが自然と、乗り物、アイテム、場所など世界を広げていくことができた。




☆5 年…【青写真】

写真美術館との連携授業。交流授業では鑑賞を行い、写真について関心が高まった。カメラも作りたい!という声から、ピンホールカメラづくりも行った。




☆6 年…①【角材建築のまち】

角材と輪ゴムで立ち上げていく活動。

自分たちがやったことを客観的に見れるようにタイムラプスで撮影した。同じ材料なのに形が違っていく面白さがあった。子供たちはゲストティーチャーの「頭の中に設計図がある」という発言に大変驚いていた。




☆6年…②【段ボールアーティスト玉田多紀さんとの連携授業】

段ボールでどんな生き物をつくるか考えて表す授業。

子供は最初、段ボールに対して「四角」というイメージをもっていたが、それは玉田さんの作品を見て変わっていった。表情や物語性、段ボールの表と裏の質感や色の違い、ボリュームと感触など生き物のイメージを引き出していき、作品に表していた。


以上、東村山市立南台小学校の河野先生の展覧会会場にて、【外部との交流授業】という視点で、ギャラリートークを行って頂きました。外部との交流授業というと、初めは敷居が高いイメージがありますが、子供たちの感性をゆさぶる経験になりそうだと感じました。チャンスがあれば、年間計画の中に組み入れていきたいですね。

次回は令和2年度、2月の持ち寄り研の様子をご報告する予定です。

よろしくお願いします。

担当 練馬区立北原小 金垣 洋

東京都図画工作研究会

TOKYO ZUKO EDUCATION

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